忍者ブログ

ちとにっき

永遠に 生きるがごとく 夢をみる !

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

おにいちゃんおつかれさま

いっぺんやってみたかった、ディシディア家族パロディ。
考え出したらいろいろ設定とかエピソードとか浮かんできて、あらあら…なかんじです。

とりあえずライトさん一家ってことで。
コスモスさんとかカオスさんが養育者…なんだろうか。 謎。

年齢がちょっと違ってますが、まあ、パロディだからいっかってなところで。
年齢そのままなのは368910、そのほかの子たちはちょっと上に設定してあります。

魔法はなさそうだけどマテリアはありそうです。
飛行機はとんでいるもよう。


一家の朝は早い。
最初に起き出すのはライト家の「おかん」ことフリオニールだ。 十人分の朝ごはんを作るのは、並大抵のことではない。
もそもそと布団を抜け出し、布団からはみ出してあっちこっちに転がっている弟たちを踏みつけないようにしながら、部屋を出て階下におりる。
そして朝刊を抜き取りに玄関へと向かうのだが。
今日はそこに一緒になって、大きな荷物が置かれていた。
「セシル…?」
靴も脱がないまま玄関に転がされていたのは、セシルだった。 軽く丸まっているその身体の上には、家のものではない毛布と、それから白くて四角い何かが置かれている。
フリオニールはそれを手に取った。
『ライトさんへ
 途中で寝ちまったんで連れて帰ってきました。
 こいつ明日から休みなので、ぞんぶんに休ませてやってください。
 会社に来たら追い返すつもりなので、よろしく』
手紙だった。
文末の名前はセシルの親友。
ということは、この毛布はきっと彼がかけてくれたのだろう。
「セシル」
毛布の上から軽く揺り起こす。 何事か呻いて身じろいだセシルの目が開いた。
「ん…」
「セシル、おはよう。 …というか、おかえり」
「うん……あれ? なんで…」
「カインが連れて帰ってきてくれたらしいぞ」
「あ…そう、なんだ…」
寝ぼけているのだろう。 半端な説明でも特に気にする様子はない。
そのまままた寝入ろうとしたセシルに、慌ててその身体を温めている毛布を剥いだ。
こんなところで寝られては困る。 風邪を引きかねない。
「う、さむ…」
「寝るんだったら部屋へ行け。 その前に、もう朝飯作るから」
「…わかった」
のろのろと身体を起こし、靴を脱いだセシルを確認して、リビングに入ったフリオニールは、そこでもうひとつ荷物を発見して思わず額を覆った。
「……こっちもか」
帰ってきたところで限界を迎えた様子がありありとわかる。 コートも脱がずにソファに突っ伏し、深い寝息を立てているのは、クラウドだった。
セシルもクラウドも、一家の家計を支えるために必死で働いている。 選んだ仕事の都合上、何日も家を空けることがあるし、生活のリズムが安定しない。 帰ってくるときはたいてい疲れきっていて、階段を上がる気力すら保てないことも珍しくない。
しかし、こうして二人まとめて来ることは珍しかった。 一家でいちばんいぎたないセシルがどこかで寝ていないことを確認してから、フリオニールはクラウドの顔の脇にしゃがんで、その頬をぺちぺちと叩いた。
「おーい、クラウド。 起きろ」
「…む……」
むずかるように眉をしかめたあと、ゆっくりとクラウドのまぶたが上がった。 不思議な色をした目が、しゃがみこむフリオニールをとらえた。
「…フリオニール」
「おはよう」
「……あぁ…」
寝起きのかすれた声で返事をし、起き上がる。 ここがセシルとクラウドの違うところだ。
クラウドがおきてくれれば、セシルの面倒はクラウドが見てくれる。
「二人とも、座ってな。 さきにコーヒー淹れるから」
「…うん…」
「ああ」
二人とも、まだ疲れと眠気が抜け切っていないのだろう。 揃って鈍い動作でテーブルにつく。
「…セシル、帰ってたのか」
「うん…」
「おい、こんなところで寝るな」
案の定のやりとりを背中で聞きながら、コーヒーメーカーのスイッチを入れる。
こげ茶色の液体がポットに落ち始めたのを見届けてから、炊飯器となべの中身を確認した。
冷蔵庫の扉を開けて、出せそうなものを数えていると、横から声がかかった。
「…フリオニール、ごはんの準備していいよ…コーヒー、僕が持ってくから」
「いいのか」
「うん…動いてないと、寝ちゃう」
「そうか」
いつの間にか台所にセシルが来ていて、緩慢な動作でカップを取り出している。
ふわふわと落ち着きのない髪の毛がダイニングテーブルへと戻っていった。
「…セシルは、今日から休みか」
「うん」
「…そうか。 いつまでだ?」
「ええとね…あんまり、覚えてないんだけど…」
セシルが口にした休暇の日数は、いつもよりずっと長かった。 新聞を眺めていたクラウドの目が、セシルへと向けられる。
「長いな」
「有給たまりすぎで、怒られちゃって…取ったって言うか、取らされたっていうか…」
「…会社の英断に感謝だな」
おそらく、カインあたりが強引に押し切ってくれたのだろう。 彼はセシルの親友であると同時に、会社における兄貴なのである。
「クラウドも、お休み?」
「ああ…」
クラウドは半分自営業のようなものなので、休みは自由に設定できる。 まあ、セシルのことはとやかく言えないワーカホリックだから、長く休んでいることは滅多にないのだが。
「…セシルが長く休むなら、少し長めにとるか」
「え?」
「ウォーリアも、頼めば休んでくれるだろ」
なんのことかまったくわかっていないセシルをそっちのけで、クラウドは一人で話を終わらせている。
いつものことといえばそうなので、フリオニールは特に気にとめなかったのだが。

「休み?」
学校組の嵐のような朝食戦争が終わったあと、ゆったりと朝食をとっていたウォーリアが、クラウドの台詞に首をかしげた。
うなずいたクラウドは、どこから持ってきたのか、旅行用のガイドブックを取り出している。
「休めないか」
「…いや。 大丈夫だろう」
「そうか」
「ねえクラウド、それ、何?」
朝食のあと、そのまま寝てしまうかと思われたセシルとクラウドだが、年少組の出発を見届けてまだ起きている。
クラウドが手にしているガイドブックが気になるのか、セシルが手を伸ばした。
「見ればわかるだろう」
「わかるけど。 どっか、行くの?」
「ああ。 俺とセシルと、ウォーリアと、フリオニールでな」
「…俺もか?」
てっきり三人だけが話題の中心なのだと思っていたフリオニールは、洗い物をしていた手を思わず止める。
「けど、俺が抜けたらあいつらの飯はどうするんだ?」
「バッツが面倒みる」
「バッツが?」
「言い出したのも、あいつだ」
普段働きづめの四人に、たまにはのんびり旅行でも、という企画だそうで。
「俺はいつも好きにいろんなところ行ってるから、たまにはいいぜ、だと」
ウォーリアとセシルが顔を見合わせる。
「…年長組でバッツを一人残すのも、悪い気がするが…」
「好意を無碍にするのも、かえって悪い、かな」
「決まりだな」
珍しく、クラウドが仄かに笑う。
「おみやげ、いっぱい買ってこないとね」
「どうやって行く? レンタカー借りるのか?」
「そうだな…」
「いや」
リビングに丸くなって計画を立て始めた三人の後ろから、ウォーリアが顔をのぞかせる。
「どうせなら、飛行機で行くところにしよう」
「…えッ? な、なんで?」
「いつだかの会合で、こんなものをもらった」
そういってウォーリアが取り出したのは。
「…フ、ファーストクラス…!?」
「ああ」
ちょうど、四人分。 さらっとウォーリアは言って、期限を確認し、まだ大丈夫だとうなずいている。
高給取りはいても基本的な感覚は庶民のままの三人は、その神々しいチケットに揃っておののいた。
「…VIPだな…」
「…ぼ、僕、他の人が操縦する飛行機はちょっと…」
「何言ってるんだセシル、使わなきゃもったいないだろ!」
「…くれたのは君の叔父だが」
「え! フースーヤが!?」
「ああ」
「…使わないわけにいかないな」


-----------------------------------

とりあえず続かない。(←)

ウォーリア:助教授
クラウド:運び屋その他いろいろ(そのまんま)
セシル:国際線パイロット
フリオニール:主夫
バッツ:いろんな資格もち

みたいな。

拍手[2回]

PR

Copyright © ちとにっき : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7

忍者ブログ [PR]