勇敢な人→たまねぎ、セシル、ティナ(要はコンボが確立している人たち)
慎重な人→のばら、バッツ、ティーダ、ジタン(たぶん特性をいかしきれていない人たち)
冷静な人→WoL、クラウド、スコール(ガードを主体にカウンターで手堅く攻める人たち)
その1:20歳と21歳
「クラウドって、僕よりひとつ年上だったよね?」
「ん? …ああ、覚えている限りではな」
「そっか……」
「…なにかあるのか?」
「ん、ううん…なんかね」
「…?」
「ときどき…クラウドと、ものすごくくだらない喧嘩とかをしたくなるんだ」
「……は?」
「なんていうんだろう…じゃれあい、みたいなのかな。 そういうことできる、ともだちがいた気がするんだよね」
「…元の世界で、か?」
「そう。 僕よりひとつ年上で、ちょっと色味が違うような気がするけど、金髪で。 それで…ぶっきらぼうだけど、優しくて」
「………」
「顔とかじゃないんだけど。 そういうところ、なんとなくクラウドに似てるなって……あ。 ごめん、不愉快だった? 他人を重ねられるなんて…」
「いや、そうじゃない。 …どっちかといえば、逆、か(ぼそっ)」
「え? ごめん、聞こえなかった」
「なんでもない。 …まあ、俺の知らない世界の話に興味はないが…」
「あ、そうだよね…」
「したいなら、するか? じゃれあい」
「えっ?」
「ここのところ、セシルとはやってなかったからな」
「…それって」
「たまには、いいんじゃないか。 そういうのも」
「…うん! ありがとう!」
* * *
その2:20歳と21歳と22歳と18歳と17歳
「ほえー…」
「…久しぶりに見るな。 セシルとクラウドの手合わせ」
「なんか…やっぱすごいッスねぇ…」
「ああ…セシルもクラウドも、もとから軍人だって言ってたからな…俺たちとは、ちょっと素養が違うのかもな」
「俺からしたら、そんなたくさんの武器使えるフリオニールもじゅうぶんすごいんだけど」
「そうか? それなら、単なるボールを武器にできるティーダもじゅうぶんすごいだろ」
「へへ…そッスかね」
「あ…決着がついたな」
「おー。 クラウドの勝ちかぁ」
「…やっぱりクラウドは強いな。 剣の振るい方に迷いがない」
「そうでもない。 セシル相手だからな…手加減すれば俺が負ける」
「…ふふ、それ、あそこの二人には言っちゃだめだよ?」
「わかってる。 ……それと」
「ん?」
「…俺も、考えてみた。 お前に似てるやつが、いなかったかどうか」
「…そうなんだ? 誰か、いた?」
「いや…。 しいて言えば…」
「…?」
「……報酬」
「え?」
「じゃれあいに付き合った報酬。 俺は、何でも屋だからな」
「え、えっ? な、何がいいのかな…」
「『デート、一回』」
「………。 ……え、ええッ!?」
「…冗談だ。 なんとなく、思い出しただけだ」
「な、なんだよ、それ……」
「なぬうッ!? クラウド今、デートって言ったッス!」
「(ぶッ)デッ、デート!?」
「ティーダ! それにフリオニールも…!」
「クラウド、セシルのこと口説いてたッスか!?」
「違う」
「えー!? 嘘だあ!」
「ク、クラウド…お前…(そ、そんな趣味をしてたのか…!! いやしかしセシルが相手ならわからんことも…はっ! おおお俺は今何を考えていた!?)」
「…フリオニール。 今お前が考えたことをそのまま言ってみろ(すちゃ)」
「いいいいや! なんでもない! 気にするな!」
「ずるいッス! 俺もセシルとデートしたいし!」
「ばッ、ティーダ!! 何言ってるんだお前!」
「そ、そうだよ! 僕男だよ!? こんなむさいのとデートして何が楽しいんだい!?」
「いや…むさくはないだろ」
「そうッス!!」
「それはそうだ!」
「え! 何でいきなり意気投合するの!?」
* * *
その3:20歳と20歳と16歳と17歳と21歳と17歳と18歳とたぶん20代
「ティーダ…わかってると思うけど、僕は男だよ」
「知ってるって! でもセシルは美人だし、優しいし、男とか女とか、そういうの関係なし!」
「ちょ、ちょっと…」
「…一応訊いておくが、ティーダは別に、バイセクシャルってわけじゃないんだな?」
「そうッスよ! セシルは特別! だって、クラウドも思わないッスか? こんなキレイな子と一緒に街とか歩いてみたいって」
「興味ないね」
「ッかー! フリオニールといい、意外とマジメッスね!」
「おい、なんでそこで俺が出てくる!」
「あ、あのね…ティーダ。 キレイだとか美人だとか言うけど、僕だって人間だから、汗だってかくし、目くそも鼻毛も出るんだよ…?」
「(…目くそ…)」
「(は、鼻毛…セシル、その例えはちょっと…)」
「なーに言ってんスか。 そんなん、俺だって同じじゃん」
「そ、それはそうだけど…」
「あっはっはっは! そーそー、そんなん関係ないよなー!」
「わ! バ、バッツ!? いつの間に!」
「俺だって鼻毛出るぞー。 目くそも鼻くそも出るしな!」
「バッツが鼻毛出てても誰も文句言わないだろ」
「(いや…文句くらいは言うだろ…)」
「バッツ、あの、そうじゃなくて…」
「だいたい、セシルから出てても、なんか俺たちと違うきれいなものに見えるかも知んないしなー!」
「「…………」」
「「(……コイツ、大丈夫か…?)」」
「あーそうそう! 真珠とかッスよね!」
「そうそう! 真珠って『月の涙』っていう別名があるんだぜ!」
「へえー! バッツって物知りッスねえ!」
「~~~ッ! あのねえ! 僕はお姫様じゃないんだから、真珠の涙なんて流さないよ!」
「知ってるよー。 セシルは泣くときは大泣きするもんなぁ」
「!!」
「あー。 ゴルベーザと喧嘩したときとかなー。 そこいらの部屋中に聞こえるもんなぁ」
「『兄さんのバカーーッ!!』とか?」
「!!!」
「そいでダダダダーッて、WoLたちの部屋に行くんだ」
「あそこ聖域だからな。 うるさくすると向かい怖えーし」
「WoLもガーさんも、なんとなくセシルに甘いしなー」
「(……あ)」
「……なんだよ、もう…バッツもティーダも…ジタンまで…!(うるっ)」
「…あッ、いや」
「セ、セシル!? わ、泣くッスか!?」
「えっ!? わ、悪い! 調子乗って言い過ぎたよ!」
「…知らないよ! どうせ…どうせ僕なんか、二十歳にもなってブラコンで泣き虫で甘えたがりの女顔だよ…!」
「(……自覚はあったのか)」
「だ、だれもそんなこと言ってないって! セシルはその、二十歳とは思えないくらいかわいいって…」
「わ、おいティーダ!」
「嬉しくないよ!! ティーダのバカ!!」
「えっ!?(ガビン)」
「いや、だからな、その、」
(ぎーぱたし)
「…騒がしいな。 何かあったのか」
「「「!!」」」
「! ッッ、WoLーーー!!(ダッ)(ひしっ)」
「…!?」
「(……一番面倒なのが来た…)」
「…俺は知らないぞ」
「お、おい、クラウド…」
「……セシル? 泣いているのか?(よしよし)」
「うー…!(ぐずぐず)」
「……とりあえず、どういうことか説明してもらおうか(じろり)」
「「「……ハイ…」」」
補足:
1.レベルとかちとさんの癖とかを抜きにしてお話として考えたときの実力差は、クラウド・セシル>のばら、ティーダだといいなっていう
2.もちろんヒエラルキーの一番上にはWoLがいるわけですが
3.WoLがじろりなのはセシルが泣いてるからじゃなくて寄宿舎ルールにのっとって
4.もちろんWoLも泣かせれば誰か(ガーさんとか雲さんとかバッツとかクラウドとか)に怒られる