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ちとにっき

永遠に 生きるがごとく 夢をみる !

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オタクの本領発揮

DFFのお話を書いてみたいと思うのですが、D.O.は列伝形式なので時系列がわからんなあ、と思ってイベントだけシアターで見直してみました。 時系列順に並べてくれているらしいあたりがさすがだなあというか、わかってるなあというか(笑)
一番最初にクリスタルを手に入れたのはオニオンなんですね…。 ティナとセシルとバッツ・ジタンは団子状態っぽいですが。
有名なセシルの「伝説の角度」ですが、ティナも似たような仕草をしますね。 かわいいわ…。
セシルとティナがなんの断りもなく同列扱いなのは仕様です。 クラウドが離脱するまでは聖騎士の格好なのに、そこから先はずっと暗黒騎士なのはなんでなの?(笑)

WoLは悩んでもブレないだけで、悩まないわけではないのかな…と思いました。 WoLよりスコールのほうがブレてない気がする。 さすがのライオンハート。

時系列までしっかり調べ始めるあたり、割と本気くさい(笑)
いや、二次創作はやっぱり、オリジナルの隙間を埋めるところに楽しさがあるわけですから…。 パラレルでもないかぎり、しっかり把握はしとかないとね!(ニコリ☆←)


(真夜中の追記)
自作のチャート見てたら、なんかできちゃった…。
ちょっとだけよ、と思ってたら、普通にそれなりの量になってやんの…(たとえるならばモの1ページにギリギリ入らないくらい…)
や、掌編掌編。 このくらい序の口。(だからどうしたっていうんだろう…)
どうもWoLとセシルが好きですね。 どうしたって絡ませたいらしいです。
あ、でもどっちが右とか左とかはあんまり考えてないかなあ…。 しいて言うなら百合(←)
セシルがクリスタルを手に入れてから、クラウドやティナたちと合流するまでの間の話です。
WoLもふつうに悩むんだよ、みたいな話になりました。 うん…まあいいじゃない。

そいで眠い。 ね、眠いよね! そうだよね、寝よう自分!
(書いてる最中にまわりがまったく見えなくなるのはほんとうにどうにかしたほうがいい…)

* * *

何者かが動く気配を、ウォーリア・オブ・ライトは敏感にとらえた。
一人で行動している己は、イミテーションたちにとっては格好の標的だ。 いや、たとえ複数でかかってこられたとしても、模造品ごときに引けをとることはない。 だが、複数で行動している者たちよりも狙いやすいのは確かだった。
静かに、物音を立てないように、そっと近寄る。 そして、ふっと肩の力を抜いた。
これは、光の気配だ。 カオス側の勢力の持つ、まがまがしい気ではない。
相手はずっとその場に静止し、こちらに気がついた様子はない。
渓谷の大きな岩を回り込むと、姿が見えた。 銀色の鎧。

「セシルか」
「…ウォーリア!?」

弾かれたようにこちらを振り向いた、彼の手に輝くもの。深い群青色の鉱石。

「…クリスタル…。 手に入れたのだな」
「…ええ」

ウォーリアの記憶が正しければ、セシルはティーダやフリオニールとともに行動していたはずだった。
それを尋ねると、彼は少し笑って、ティーダに促されたのだと言った。

「兄が…ゴルベーザが、僕に会いに来ました。 クリスタルの秘密を知りたければ、追いかけてこいと言って」
「…会えたのか」
「ええ。 いろいろと…ありましたけど」
「…そうか…」

ほんのりと微笑むセシルの表情は、穏やかではあるがどこか憂いを含んでいる。
無理もない。 血を分けた実の兄が敵方に回っているのだ。 彼と対峙することを、セシルは決して望んではいなかっただろう。

「…ウォーリア」

焚き火を見つめていたウォーリアは、声音が変わったことを感じ取り、セシルのほうを見た。 セシルの顔からは、微笑みが消えている。

「あなたは以前、僕にこう言いました。 『兄はこの世界の何かを知っている』と」
「……」
「…確かなことが言えるわけではないけど…。 確かに兄は、カオスのものとは違う、独自の思惑を持って動いている気がします」

セシルがかざした手に、さきほどウォーリアも目にしたクリスタルが再び現れる。
移りこむ自分を見つめながら、セシルは考えを整理するように、ゆっくりと話し続けた。

「僕に対しても、ただカオスの駒として敵対するのではなく……まるで、僕をクリスタルまで導こうとしたように、感じました」
「…そうか」
「…もしかしたら、それもカオス側の策略の一部かもしれないけれど…」
「…いや。 君の兄は、君まで心から騙すような男では、ない」
「えっ?」

意外そうに、セシルが目を瞬く。

「直接剣を交えたわけではない…が、そう感じた」
「そう、ですか」
「策略というのなら、皇帝あたりと結託はしているかもしれないが…結果的には、君を助けたのだろう」
「…はい」
「彼は…手段はどうあれ、我々を間接的に援助してくれている。 …そんな気がする」

クリスタルと焚き火、そしてセシルを交互に見つめながらそう言ったウォーリアをまじまじと見たあと、セシルはふと、微笑んだ。
ほころぶようなその笑みに、ウォーリアがわずかに首を傾げると、笑われていることを不審にとったと思ったのか、セシルは慌ててすみません、と顔を背けた。

「…いや…。 なにか、おかしなことを言っただろうか」
「いえ、そうじゃなくて…なんだか、嬉しくて」
「嬉しい?」
「はい」

無言で先を促す。 セシルは微笑みながら、焚き火へと視線を動かした。 ゆっくりとした動きにあわせて、銀髪を飾る宝飾がかすかに音をたてた。

「兄は…ゴルベーザはカオスの一員です。 安易に信用してはいけないと…そう言われることも仕方ないと思っていました」
「…そうか」
「それも、そのとおりなんですけど…でも僕は、甘いといわれても、やっぱり兄を信じたかった」
「……」
「あなたにそう言ってもらえると、なんだか救われます。 兄が単なる暴虐の徒ではないのだと、言ってもらえているようで」
「…そうなのだろう?」
「はい…少なくとも、僕はそう信じています」

しっかりとうなずくセシルの目に宿っているもの。 それはきっと、カオスとコスモスの相容れぬ溝を知ってなお、揺るがない兄への信頼なのだろう。
兄がカオス側に召還を受けたときいたとき、彼が少なからず動揺していたことを、コスモス側の戦士たちの何人かは知っている。
それで彼の離反を疑うほど、コスモスの戦士たちの信頼はもろいものではなかったが、いざ兄と対峙したときに彼がまともに戦えるかどうかは、ウォーリアも危惧していたことだ。
ティーダのように反発するのではなく、戸惑いのほうが先に立っていた、その彼が、迷い抜いた末に手にした決意。

「…君は、強くなったな」
「…え?」
「君のほかにも、すでに何人かがクリスタルを手にしたと、コスモスが教えてくれた。 クラウドや…オニオンナイトが」
「クラウドが? そう…じゃあ、彼は答えを見つけたのかな」
「答え?」
「ええ…彼は、誰かに与えられたものじゃない、自分自身の戦う理由を求めていたから…戦いを終わらせるとか、そういう漠然とした理由しか持っていなかった僕たちじゃ、彼が納得できる答えはあげられそうになくて」
「そうだったのか…」

クリスタルへの道のりは一様ではない。 自分自身の迷いや因縁を断ち切り、揺るがぬ想いを手にしたとき、クリスタルはその人の前に輝くという。
おそらくクラウドは、何らかの理由を見出したのだろう。 道を切り開くための、己が戦い続けるための。
ふと、彼の宿敵であった男の言葉が脳裏によみがえる。
永劫の戦いを望む、閉塞した存在。 あの男が自分がそうであると認めたうえで、ウォーリアにもそれが相応しいと言った。
光の戦士の中で、唯一自分の名前の記憶すら持たない。 自分がなぜ、あの男と戦うさだめにあるのか。 それを、ウォーリアは知らない。 こうして世界が崩壊し、一人進むウォーリアの前に現れた、カオスの駒たち。 彼らと剣を交えるまで、何故と考えることもなかった。

「漠然とした理由、か」
「ええ…僕には今でも結局、具体的な理由とかは、思いつかないんですけど…」
「いや。 …私も、同じだ」
「え?」
「私は…宿敵である奴の名前以外、何も覚えていない。 …自分の名前でさえも」
「…ウォーリア」
「奴との因縁がいったいなんなのかも、わからない。 ただ、この戦いを終わらせるためには、クリスタルが必要だと、そのことだけをずっと考えていた」

じっと、自分の手を見つめる。 記憶のない自分の手。 この世界に呼ばれる以前、自分はいったい、どこで何をしていたのか。 断片的にでも、それを知っていた他の戦士たちとは違う。 剣を振るう術以外、何も覚えていない手。

「…セフィロスが言っていた。 私は、終わらぬ戦いを望んでいるのではないのかと」
「…そんな…」
「無論、私にはそんなつもりはない。 だが…」

戦う己が揺らがぬ理由。 それは、揺らいだときにすがるものが何もないからだ。
迷いがないことと、視野の狭さは、ときに紙一重で存在する。 セシルのように使命と情の間で揺れ動き、それを受け入れた上でなお進む強さは、おそらくいまの己には、ない。

「私は、戦う以外に進む方法を知らない。 進むことしか知らない私のやり方は、見ようによっては、いたずらに剣を交えているのと、同じことなのかもしれない…と」
「ッ、そんなことはない!」

ウォーリアの独白を、セシルが強い口調で遮った。 戦いの最中以外はほとんど聞いたこともないその声音に、ウォーリアは少し目を瞠った。
ずっと視線が落とされたままのウォーリアの手を、セシルがそっと取った。

「あなたは、世界が形を失って戸惑っていた僕らに、最初に道を示してくれた人だ。 自らの信じるものを貫けば、必ず道は開かれると」
「……」
「あなたの剣は…あなたの手は、やみくもに人を傷つけたりはしない。 戦いそのものにしか意味を見出せないような、そんな人じゃないってことは、僕たちが一番よく知ってる」
「…セシル…」
「悩んでばかりの僕が言うのでは、説得力がないかもしれないけど……でも、あなたの進む道は間違ってなんかない。 僕はそう、信じてる」

暖かいセシルの手が、ウォーリアの手を包む。 その暖かさに、迷っていたのか、と、そのとき初めて、ウォーリアは思った。 進む以外に道はないと、それを知っていても、人は思い悩み、足を止めてしまうことがある。
迷うことそのものは、悪ではないけれど。 それに囚われて、自らに課された使命から目を背けることだけは、絶対にしてはならないことだった。
カオスの駒たちの姦策など、歯牙にもかけていないつもりだったが。 知らない間にまとわりついて、心を曇らせていたようだ。
自覚さえしていなかった心の中の暗い何かが、溶かされていくような気がした。
思わず、息をついた。 目の前のセシルは、おそらく自分よりもずっと悲しげにしている。 他人の痛みを知る、優しい騎士。

「…君は、やはり強い」
「…え?」
「本来ならば、私こそ皆を勇気づけなければならないのに…。 私がこうでは、皆にあわせる顔がないな」

覚えず、微笑みさえも口許に浮かんでいた。 珍しいそれにセシルは一瞬目を見開き、ついで同じように笑った。

「…そうだよ。 あなたは、僕たちのリーダーなんだから」
「そうだな。 …少し、疲れていたようだ」
「うん…。 でも、あなたでも悩むことがあるなんて。 不謹慎だけど…なんだか嬉しいな」
「…それは、どういう」
「ごめんなさい、変な意味じゃなくて…」

ウォーリアも、記憶がないだけで立派な人間である。 悩み事がまるでないように見えるというのも、それはそれでいささか不本意ではあった。
思わずむっとして反論しようとすると、セシルは笑顔のまま手を振った。

「支えられるだけじゃなくて、あなたを支えることができるんだって」
「…む」
「ウォーリアは、思っていても抱え込んでしまいそうだから…話してくれて、嬉しかった」
「…そう、か」

素直なセシルの言葉は、ことのほか面映い。 どういう顔をしていいかわからず、ウォーリアは焚き火へと目をそらすことで、それを紛らわせた。
笑みを湛えたまましばらくウォーリアを見つめていたセシルが、そろそろ寝なくてはね、とぽつりと言った。

「そうだな。 先に休むといい、私が番を――」
「だめだよ。 さっき自分でも言ったじゃないか、疲れているみたいだ、って」
「…それは、そうだが…それとこれとは」
「いいから。 僕なら大丈夫だから。 安心して、ゆっくり休んで」

渋るウォーリアだが、セシルも退くつもりはないらしい。 その上言質をとられて不利なウォーリアは、結局セシルに言い負かされて先に眠ることにした。

「無理はするな。 時間になったら――」
「わかってる。 もう…意外に口うるさいんだね」
「……」

軽い冗談のつもりだったのだろうが、まさか生真面目なセシルが言うとは思わず、ウォーリアは言葉に詰まる。
いったい自分がどんな顔をしたのか、ウォーリアにわかるわけもなかったが、それを見たセシルが思わず、という風に笑い出す。

「ウォーリアったら、そんなに驚くことないじゃないか」
「…セシル…。 君は、意外に人が悪いな」
「ええ、酷いなあ。 冗談だったのに」
「冗談だから、だろう」
「ふふ、そうかも。 …あなたとこんな風に言い合えるなんて、思ってもみなかった」
「…そうだな」

だが、悪くない。 ウォーリアは心の中で、そう一人ごちた。
最低限の鎧を身に着けたまま横になったウォーリアを、セシルの青い目が優しく見つめている。

「…おやすみ、ウォーリア」
「ああ…」

おやすみ、と返そうとして、ふと、それに気恥ずかしさのようなものを覚えた。
ずっと、一人でいたからかもしれない。 こうして、何気ない挨拶をする相手など、久しくいなかった。
言いよどんだウォーリアを不思議に思ったのか、セシルは首を傾げているが。

「…おやすみ。 セシル」
「…うん」

いちいちそんなことまで報告したら、今度こそ本当にからかわれてしまうだろう。
ほんの少し身構えて口にしたウォーリアに気づいているのかいないのか、セシルは嬉しそうにふわりと微笑んだ。
目を閉じてからまどろみに落ちるまでは、ほんのわずかだった。 すぐに身を包みだした心地よい眠気に身をゆだねながら、ウォーリアは思う。
背中を預ける相手を探すべきだと、あの若者に言ったのは自分だったが。
それを本当に欲していたのは、自分だったのかもしれない、と。


* * *

いろいろぶち壊す考察:
1.「最初に道を示してくれた」=チュートリアル的な意味で
2.セシルはWoLに対しては敬語なんだかそうでないんだか微妙な感じ
3.WoLに「おやすみ」を言わせるのに照れたのはわたし

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