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ちとにっき

永遠に 生きるがごとく 夢をみる !

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ああん

ととととりあえず一個…!

珍しくメロドラマ風になりました。
さこみつでやんす。


今日はひどい雨でしたね…!
激しくなったときに外出してしまい、ズボンの裾と靴下が絞れるほど濡れました。
道が川になってた。 どこを歩けというの…!

「三成さん」
「…………」
「…三成さん」
「…………」
「みーつなーりさん」
「…………」

怒ってるんですか、だと。
当たり前だ。

ああ、だがしかし…

俺が怒る筋合いでも、ないのだろうか、左近にとっては。

「……素直でないのは、どちらだ」
「……みつなりさ」
「この際だ、はっきり言え」
「…はい?」
「素直に、俺などなんとも思っていないと、そう言え」
「は?」

お前は優しい。 とても優しい。
俺の捨てきれない思いも、その深い懐で受け入れてくれていたのだろう。
けれどそれは、俺にとっては残酷以外のなにものでもない。
俺の恋慕ばかりが、闇に吸い込まれていくようで、苦しい。
いっそ突き放してくれ。
子供のお守りはもうごめんだと。

「お前にとって俺は、っ」

まとわりついてくるだけの子供なのだろう。
続けたかった言葉の前に、ぽろり、と、涙があふれて、頬から転げ落ちた。
悲しかったのか、悔しかったのか。
それとも、怒り、だろうか。
…何に対して?
俺が怒る筋合いなど、ないのに。

「三成さん」

俺の顔を見た左近が、急に怖い顔になる。
腕を掴まれて、手を上げられるのかと思ってとっさに目を閉じた。
が、衝撃は降ってこない。
かわりに、両側からきつく拘束された。
それは、左近の腕だ。 広い胸板が目の前にあって、うまく焦点が合わない。

「そんなこといわないでください」

左近は一度も、そんな風に思ったことはありません。
そう、優しい声でささやきながら、頭を撫でられる。
ささくれだった心が、それだけで潤っていく。
けれども。

「…だったら、あの写真はいったいなんだ!」

不自然に伏せられていた写真立て。
倒れてしまったのかと思い、何気なくそれを起こした俺の目に飛び込んできたのは、見知らぬ女性と幸せそうに微笑む左近の姿だった。

「あれは俺の妻です」
「……! や、やっぱり」
「離婚したんです。 ……ずっと前に」
「…え」
「三成さんには、話さなきゃと思ってました…。
 でもずっと話せなかった」

俺を思う左近の気持ちにうそ偽りはないけれど、彼女は今でも左近にとっては大切な人に変わりはないと。
ただその愛情はもう昇華してしまっていて、俺に感じるような熱いものではないのだと。

「俺の優柔不断です。 どうしても、あの写真だけ手放せなかった」
「さこ…」
「でももう腹括りました。 三成さんが嫌だと言うならすべて忘れます。
 あの写真だって、」
「っ、左近!」

捨てましょう、と言って、写真立てを掴んだ手を、俺はとっさに止めていた。
ちがう、直感的にそう感じた。
左近がくれた言葉には、隅々まで愛情が込められていた。
それが熱くて、苦しくて嬉しかった。
俺が望んでいたのはそれがすべてで、左近の大切なものを奪いたかったわけではなかったはずだ。
こんなに苦しげで、悲しそうな左近の顔は初めて見た。
それを見るだけで、俺まで悲しくなってしまう。
ましてや、そんな顔をさせているのが、俺だなどと。
耐えられない。

「違う、左近、違うのだ…」
「…三成さん」
「お前の愛した人を、捨てたりなどしてはだめだ…」

頭がごちゃごちゃになって、これがもう誰の悲しみなのか、誰のための涙なのかわからない。
ただ左近の腕にすがり付いて、訳のわからない悲しみに暮れた。
左近は言葉もなく、俺の髪を梳いてくれている。
写真立ては、もう手から離れていた。




15のお題×15の台詞
14. 写真立てを伏せる×「素直じゃないのはどっちよ?」

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