11 相手のことを何で呼んでる?
ユキ「リカ、マコト」
リカ「ユキ、マコト」
マコト「リカ、ユキさん。 さすがに、150歳以上年上の人を呼び捨てには…」
リカ「それ、俺も条件同じなんだけど…」
ユキ「まあ、リカとはお互い、素性隠してる時期が長かったからな」
ユキ「俺は特に、今のままで」
マコト「僕も、っていうか、あまり違う風に呼ばれたことがない…」
リカ「苗字でなければなんでもいいよ」
マコト「嫌いなわけじゃないんだよね?」
リカ「え? うん。 面倒なことになるからってだけで」
ユキ「苗字があるってのは、それなりの家柄の出身ってことだから、昔はうらやましかったな」
マコト「名乗るとき、長い名前ってかっこいいですしね」
リカ「そんなもんかなあ…シュトルテハイム・ラインバッハ3世とかも?」
ユキ「ッ!(笑)」
リカ「マコトは犬っぽい」
ユキ「賛成」
マコト「え! なんでそんな即答!?」
ユキ「リカは猫かな」
リカ「それ、前も言ってたよね…」
マコト「ユキさんは……うーんと、カニ!」
リカ&ユキ「「カニ!?」」
マコト「こう、空を見上げながらぼーっと泡吹いてるところとか、はさみ持ってて実は強いところとか」
リカ「ぼーっと泡……ユキがぼーっと泡…!!(抱腹)」
ユキ「…マコトのセンスはよくわかった。 お前とナナミは姉弟だ…(ポン)」
マコト「え? え? どういうことですか!?」
マコト「ええと…」
リカ「ユキは、実用的なもののほうが嬉しいんじゃない?」
ユキ「まあ、そうだな。 無駄にならないからな」
マコト「それ言ったら、リカもすごく持ち物少ないよね…」
リカ「ああ、身軽なほうが何かと便利だしね」
ユキ「地方のうまい酒とか、どうだ?」
リカ「ん! それは、すごく嬉しいかも」
マコト「食べ物なら片付けにも困らないし、いいですね!」
リカ「俺はあれが飲んでみたいよ、無名諸国のなんとかいう、すごく強いお酒」
ユキ「いきなり無茶苦茶遠いな(笑)」
マコト「食べ物だったら僕、群島の獲れたての魚食べてみたいです」
リカ「いいね! 確かに美味しいのあった!」
ユキ「見た目にも旨そうなのが多いしな」
マコト「ユキさんは? なにかほしいものとかないんですか?」
ユキ「俺か? そうだなあ…」
リカ「ユキ、この前雪だるまにすごい感動してたよね」
マコト「え? 雪だるま?」
ユキ「ああ…群島じゃ、水が凍るなんてことは滅多にないからな」
マコト「へえー…! なんか、意外……」